弓道資料集・日置流の本4冊・4冊とも限定復刻版でまとめてみました。 日置流竹林派について 武術がその本来の目的である実利を目的として行われていた時代は、総合武術として馬に乗り弓 を射、槍・剣を振るい組討ちをするというオールラウンドな技術が要求された。 そしてこれらの技術は後天的な訓練により体得する部分もあったが、多くは先天的な運動能力の 優劣が勝敗を大きく左右したものと考えられる。 しかし、幾多の戦乱を経る間に単に生まれもった素質に加え、更に合理的な武器の操作法に工夫 がなされるようになり、専門的な指導者のもとでしかるべき指導法による継続的な訓練により能力 のある者はもちろんのこと、非力な者でも素晴らしい能力を発揮出来る工夫がなされるようになっ た。 そしてこの長期的、かつ専門的な訓練を行うことにより非力な者でも常人を遥かに越える能力の 発揮を可能にする技法を創案・開発した人物が後世流祖と呼ばれる人物なのである。 時代的にみると、鉄砲伝来によりそれまでの個人・騎馬戦を中心とする戦闘形態から、集団歩 兵戦への変化し、それに伴う重装備から軽装備甲冑着用による機動力の増大は、戦闘員個々の制限 された動きを開放し、活発で自由な動きが出来るようになった。 更に、集団歩兵戦に勝つためには従来のように個々人が様々な武術ジャンルをマスターしたこ とから一歩進んで戦闘集団の中で砲・弓・槍・剣等々の特徴を生かした専門集団を形成し、それら をどのように配備し機能させるかの分野にも工夫がなされるようになってくる。このような戦闘法 の変化に伴い各武術ジャンルはそれぞれ与えられた役割を果たすべく専門化分化されるようになっ ていくのである。 微細な小汚れはありますが、おそらく未読品で状態はきれいです。